北海道教育大学/大阪教育大学/福岡教育大学共同学校教育学専攻(後期3年のみの博士課程)Cooperative Doctoral Course in Science of School Education

メインビジュアル

専攻案内DEPARTMENT

共同学校教育専攻とは

設置の趣旨・目的

共同学校教育学専攻(後期3年のみの博士課程。以下「本専攻」という。)は、学校教育学に関する諸分野について、研究者として自立して研究活動を行い、又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養うことを目的として、北海道教育大学・大阪教育大学・福岡教育大学の共同により、日本初の全国を縦断した「教員養成単科大学」だけで設置された博士課程です。
本専攻では、「確かな教育能力と研究能力を兼ね備えた大学教員の養成」と「高度な専門的知識・能力を持つ高度専門職業人の養成」を行います。具体的には、以下の人材の養成を目指しています。

  1. 教員養成大学・学部において必要とされる臨床的な研究力と教員養成に対する学識をともに備えた教員養成担当教員
  2. 教育現場での実務経験を学部や教職大学院での教員養成に活かすことのできる実務家教員
  3. 教員の資質向上と学校組織マネジメントに貢献する教員研修の専門家となる能力をもった人材

専攻名称に込めた意味とキーワードとしての「臨床的研究」

本専攻では、「学校教育学」を「教育現場をフィールドとした臨床的研究により、学校教育の課題を明らかにするとともに、その課題の解決に向けた処方箋を教育現場等に還元する実践的学問である」と定義し、その修得をめざします。 そのため、これまで私たち各大学が取り組んできた教員養成の実績を活かして、新たな時代にむけた取り組みを進めるため、全国を縦断するネットワークを構築しつつ、学校現場をフィールドとした臨床的研究によって課題解決に寄与する大学教員等を養成するとともに、教員養成モデルや教員養成学の開発、個別地域に留まらない全国レベルでの課題解決につながる臨床的研究を行います。 臨床的研究とは、学校教育の場で生じる事象を対象として、課題解決の方法を開発し、それが教育的に有用であることを教育現場から得たデータをエビデンスとして示そうとする研究です。また、学校教育の場における実践のプロセスの記録・分析を通じて得られた知見をもとに、既存の理論を修正したり、新たな理論を導いたりする研究です。

教育課程の特徴と修了要件

本専攻名である「学校教育学」が研究対象とする、様々な学校教育課題の捉え方を2つの側面に分け、それぞれ「臨床発達教育科学分野」及び「臨床教科学分野」として位置付けた上で、各分野に応じた教育課程を構成しています。学生は、いずれかの分野に所属し、学位論文執筆のための研究活動を進めます。

臨床発達教育科学分野

子供の教育を取り巻く社会状況や学校教育が抱える課題の複雑化を鑑みると、「教員養成の高度化」には、臨床的な研究力と教員養成の学識をともに備えた専門性豊かな大学教員や教員研修の専門家の育成が急務であり、その育成を担うため、3大学が共同して博士課程の設置に向け取り組んでまいりました。 この度、教員養成系単科大学による博士課程としては約10年ぶりの新設が実現に至ったことは、昨今の学校現場を取り巻く状況を踏まえると、非常に意義深いことであると考えております。 これまで各大学が取り組んできた教員養成の実績を活かして、新たな時代に向けた取り組みを進めるため、全国を縦断するネットワークを構築しつつ、学校現場をフィールドとした臨床的研究によって教育課題の解決に寄与する大学教員や教員研修の専門家を育成するとともに、教員養成モデルや教員養成学の開発、個別地域に留まらない全国レベルでの課題解決につながる臨床的研究を行うことで、日本の教員養成と学校教育を牽引すべく尽力して参ります。

臨床教科学分野

学校教育の課題を「教科の教育に関する側面」から捉え、教科専門と教科教育の教育研究を融合させ、教科の教育成果を高めるために必要な条件等を明らかにし、その成果を学校という臨床の場で活用して教科に係る諸課題の解決方法を導き出します。

修了に必要な取得単位数は20単位以上とし、課題研究科目は6単位、共通科目は8単位、分野科目は6単位以上です。また、学位論文の審査及び論文の内容や専門分野に関する最終試験に合格することを修了要件とします。

3大学の研究科等の名称と取得できる学位

研究科等の名称 <北海道教育大学>
研究科名:教育学研究科
専攻名:共同学校教育学専攻
<大阪教育大学>
研究科名:学校教育学研究科
専攻名:共同学校教育学専攻
<福岡教育大学>
研究科名:教育学研究科
専攻名:共同学校教育学専攻
取得できる学位 博士(教育学)

専攻の特色

共同教育課程ならではの学び

共同教育課程とは、複数の大学が相互に教育研究資源を有効に活用しつつ、共同で教育課程を編成する仕組みです。本専攻は、この仕組みを活かし、北海道、大阪、福岡の3地域それぞれの教育事情に応じて積み重ねてきた臨床的な研究と実践(北海道教育大学におけるへき地・小規模校教育と個別最適な学びに関する実績、大阪教育大学におけるダイバーシティ教育と外国にルーツのある児童生徒の教育に関する実績、福岡教育大学における高度な特別支援教育と学校適応支援に関する実績)を相互に融合することにより、より汎用性の高い研究へと昇華させます。

特に、学位論文の研究においては、入学者の希望する研究テーマに応じた研究指導教員を主指導教員とし、3大学にわたる複数の教員による研究指導のチーム体制を整え、共同専攻による大学院の特色を活かして様々な研究分野を包含する研究指導を進めます。この研究指導は、主に主指導教員が属する大学において行いますが、対面による研究指導だけではなく、オンラインによる副指導教員を含めた研究指導や共同研究ネットワークラボの機能も活用しながら、3大学が共同して研究指導を展開します。

主副指導教員体制や共同ネットワークラボの詳細については、研究指導体制の特色をご参照ください。


研究を支える仕組み

本専攻では、職業を有する学生を想定しているため、原則として平日の夜間(19:40~)及び土曜日の午後に授業を実施します。授業によっては、夏季や冬季休業期間中に集中講義を行うとともに、学生の事情を勘案し、主指導教員及び授業担当者の指導のもと、夜間その他特定の時間において授業科目の履修や研究指導を受けることができるようフレックスな対応を行うこととしています。

また、授業は、基本的にオンラインで実施します。ただし、教育臨床参画研究Ⅰ・Ⅱや教員養成学臨床研究などの教育現場や大学での実地的な学修が必要な科目、研究指導を伴う科目の中には、オンラインのみの履修では難しい場合があります。

さらに、通常、入学から修了までの修業年限は3年ですが、職業を有する等、勉学時間が十分確保できないなどの事情がある場合に、3年間で設定されている教育課程を6年間を上限(1年単位)として履修する計画を立て、長期履修学生として許可を受け在籍する制度(長期履修学生制度)も設けています。この制度は、入学後に事情が変更となり、条件を満たした場合は、在籍の途中(修了予定年次の者は除く)からでも適用されます。

授業方法・授業の履修、長期履修学生制度の詳細については、共同教育課程ならではの学びと「研究」を支える仕組みをご参照ください。

3つのポリシー

アドミッション・ポリシー

本専攻は、北海道教育大学・大阪教育大学・福岡教育大学の3大学が共同して教育課程を構成している後期3年のみの博士課程であり、学校や教師が直面している様々な課題を解決するために、教育現場をフィールドとした臨床的研究に取り組むことのできる大学教員や、臨床的研究の知見を活かして課題解決を図ったり、高度な教員研修を遂行したりできる教員研修の専門家の養成を行うことを目的とします。

本専攻は、大学院修士課程、専門職学位課程、教育現場や教育行政、大学等で培った知見や能力に加え、臨床発達教育科学または臨床教科学の理論知をもとに、臨床的研究に基づく「学校教育学」を修得し、教員養成学の体系的な構築を志向する人材を求めます。


求める学生像
  1. 明確な研究テーマを持ち、多角的かつ総合的な視点から自立的な研究を行うことができる人
  2. 教育現場をフィールドとした臨床的な研究を遂行する上で必要とされる専門的知識、倫理観、行動力、総合的な判断力を有する人
  3. 教育現場をフィールドとした臨床的な研究を遂行する上で必要な資料や文献を読解できる基礎的な語学力を有する人
  4. 教育現場をフィールドとした臨床的な研究を遂行する上で必要とされる様々な人々との交流を深め、協働して学ぶことができる人
  5. 自らの課題意識に則して、教育現場をフィールドとした臨床的な研究の重要性や必要性を理解している人

入学前に身に付けておくべきこと
  1. 研究テーマを遂行するための基礎となる専門的知識
  2. 研究テーマを遂行する上で必要となる文献読解等に役立つ基礎的な語学力
  3. 研究テーマに関する明確な課題意識と課題解決への情熱

入学前に身に付けておくべきこと

教育現場をフィールドとした臨床的研究により、学校教育の課題を明らかにするとともに、その課題の解決に向けた処方箋を教育現場等に還元する「学校教育学」を修得して質の高い教員を養成する大学教員や教員研修の専門家になりうる学生を選抜します。
志望する研究分野に関する専門的知識や必要な語学力などを備えているか、臨床的研究の必要性を理解しているか等を総合的に判断するため、書類審査・筆記試験及び口述試験によって、知識・技能、関心・意欲、思考力・判断力・表現力、主体性・協働性をはかり、選抜します。

カリキュラム・ポリシー

教育課程編成の方針

本専攻では、学校教育の臨床的研究に関する幅広い知識と深い理解に基づき、学校教育が直面する諸課題に対応し得る能力並びに教員養成系の学士課程・教職大学院を含む大学院課程等における高度な教員養成または教育委員会における教員研修等を遂行し得る能力を獲得し、我が国の教育課題解決と新しい時代の教育に寄与する質の高い教員を養成する大学教員や教員研修の専門家等を養成するために、以下のような教育課程を編成します。

  • 学位論文に関連する個別の研究課題を探究することにより臨床的研究能力を培うための課題研究科目
  • 学校教育及び教員養成に関わる諸課題についての理解を深めるとともに、学校教育に関する臨床的研究並びに教員養成に携わるために必要な知識とスキルを獲得させ、課題研究科目を方法論的側面から支える共通科目
  • 臨床発達教育科学・臨床教科学における諸課題を把握し、その研究方法論を理解することにより、実践的諸課題を探究するために必要な先進的かつ多様な知見を獲得させ、課題研究科目を内容論的側面から支える分野科目

教育課程編成の方針
  • 学修成果の評価は、授業科目の目標を達成したことを確認するために、各授業の内容に応じて、筆記試験、口述試験、報告書等により、適切な評価の観点と方法を設定して行う。
  • 最終試験の評価は、学位論文の研究に関連する内容について、口述試験により合否を判定する。
  • 学位論文の評価は、本研究科の定める審査基準に基づき、3大学合同による学位審査委員会を設置して審査し、合否を判定する。

ディプロマ・ポリシー

本専攻では、学校教育が直面する諸課題に対応し得る能力並びに教員養成系の学士課程・教職大学院を含む大学院課程等における高度な教員養成、または教育委員会における教員研修等を遂行し得る能力を獲得します。

本専攻において、所定の単位を修得し、かつ、必要な研究指導を受けて作成した学位論文の審査並びに最終試験に合格し、臨床発達教育科学もしくは臨床教科学に関わる学校教育の諸課題についての研究を自立的、独創的に遂行する資質・能力を有すると認められた者に博士(教育学)の学位を授与します。

授業暦・シラバス

所属教員と専門

主な修学キャンパス

本専攻は、基本的に全ての科目をオンラインで受講できるよう(※)、以下に掲載する各大学のキャンパスに加え、インターネットを利用した仮想キャンパスを3大学共同で設置しています。この仮想キャンパスにアクセスいただくことで、ご自宅等を修学場所としていただくことができます。
(※)研究指導や実習を伴う科目の履修等はオンラインのみでは難しい場合があります。

北海道教育大学

北海道教育大学岩見沢校 写真は岩見沢校

札幌校
〒002-8502 札幌市北区あいの里5条3丁目

旭川校
〒070-8621 旭川市北門町9丁目

釧路校
〒085-0826 釧路市城山1丁目15-55

函館校
〒040-0083 函館市八幡町1-2

岩見沢校
〒068-0835 岩見沢市緑が丘2丁目34

大阪教育大学

大阪教育大学天王寺キャンパス

天王寺キャンパス みらい教育共創館1階 108協働学習フロアA
〒543-0054 大阪市天王寺区南河堀町4-88

福岡教育大学

〒811-4192 福岡県宗像市赤間文教町1-1

イベント情報

今後予定されているイベント

現在、予定されているイベントはありません。

開催済みのイベント

令和6年8月7日(水) 博士後期課程オンライン説明会(終了しました)